おやこ相談室/子ども同士のトラブル
「やめて」と言えない、手が出てしまうなど、子ども同士のトラブルが起こった際に見守るべきなのか、介入するべきなのか佐藤めぐみさんにお聞きしました。

成長によって異なるトラブルの内容
子ども同士のトラブルは、集団生活の中で自然と起こります。特に幼児から小学校低学年にかけては、心や言葉、社会性が育つ時期です。その分、かかわりの中でぶつかる場面も増えます。幼児期に多いのは、おもちゃの取り合いや思わず手が出てしまうケース。2~3歳は「誰のものか」という認識が未熟で、人のおもちゃを悪気なく使ってしまうこともあります。4~6歳になると、理解は進みますが「わかっているのに我慢できない」といった感情のコントロールが課題に。さらに、言葉の発達とともに、仲間はずれや言い方によるトラブルも増えていきます。小学校低学年では、ルールの解釈や正しさをめぐる対立など、より社会的な内容に変化します。年齢とともにいざこざが長引きやすくなるため、気持ちに寄り添ったケアが欠かせません。
見守る?介入する? 親のかかわり方の目安
基本は見守りと介入のバランスが大事。子ども同士で解決できそうな場合は、見守ることも必要です。「やめて」と相手に気持ちを伝えられた経験が、学びにつながります。一方、ケガの恐れがあるときや言葉で深く傷ついているとき、力関係に偏りがある場合は大人の出番。「どちらが悪いか」ではなく、「どうすればよかったのか」を一緒に考え、うまく解決できたときは、しっかり認めてあげましょう。
子どもの話は聞き方と受け止め方がカギ
子どもが「嫌な思いをした」と訴えてきたら、まず落ち着いて「嫌だったよね」と我が子の気持ちを受け止めます。被害者なのか、加害者かなのかが気になりがちですが、決めつけは禁物。子どもの意見は尊重しつつ、それがすべてではないという視点を持ち、事実の一部として受け止めましょう。いつ・どこで・誰と・何があったのか、事実を聞き出し、必要に応じて周囲の情報も踏まえて、全体像を整理しましょう。先入観にとらわれず、出来事をフラットに捉えることが大切です。
話せる関係づくりと見守りのコツ
子どもの気持ちが高ぶっているときは、無理に話を聞こうとせずに、ハグをするなど安心させることを優先します。「心配をかけたくない」という思いから、親に話せない子もいます。日頃から子どもが何でも話せる関係を育みましょう。忙しい中でも表情や朝の様子など、ちょっとした変化に目を向けることが、気づきにつながります。
園・学校との連携と保護者同士の関わり
園や学校に伝えるのはハードルが高いと感じてしまいますが、事実と感情を分け、冷静になって共有を。経過や今後の方針を確認しておくと安心です。保護者同士の場合、相手に何かされたとしても責めるのではなく、事実の共有と、子どもたちのために何をするべきかを軸に話すことが大事。感情的になりそうなら、園や学校を通すことも考えましょう。
子ども同士のトラブルは成長のきっかけに
子ども同士のトラブルは決して悪いことばかりではありません。ぶつかり合いの中で相手を思いやる力、気持ちを伝える力、折り合いをつける力が育ちます。トラブルが多いと感じたときは、その背景にも目を向けて。理由はさまざまなので、家庭では注意するだけでなく、どうすればよかったのかを一緒に考え、次の行動につなげましょう。子どもがトラブルに向き合う力を培うためにも、「どんな自分でも受け入れてもらえる」という安心感が重要です。ともに悩みながら、少しずつ親子のかかわり方を見つけていけたらいいですね。
子ども同士のトラブルが起きた場合
1⃣ 話を聞く
事実の前にまず子どもの今の気持ち(感情)を聞き取る
POINT
子どもの感情が高まっている場合はハグなどで落ち着かせよう
2⃣ 状況を把握する
いつ・どこで・誰と・何があったのかを聞き出して、状況を把握
POINT
加害者・被害者を決めつけず、親が感情的にならないように注意を
3⃣ 解決策を考える
子どもと一緒に解決策を話し合う
POINT
物事をフラットにとらえ、どうすればよかったのかを考えましょう
いざという時に子どもがいつでも相談できる関係を築いて、冷静に対応できるようにしましょう!
教えてくれたのは...
公認心理師 佐藤 めぐみ さん
英・レスター大学大学院修士課程修了。相談の場「育児相談室ポジカフェ」と学びの場「ポジ育ラボ」を運営。0~10歳の子を持つ家庭向けに、認知行動療法をベースとした育児支援を行う。心理学情報の発信やメルマガ講座も展開。
Author
まみたん編集部


